この記事では、ゲーミングマウスを30種類以上買った僕が、「マウスの選び方」を詳しく解説します。
この記事を読めば、以下のような悩みを解消することができるでしょう。
- どうやってマウスを選べばいいか分からない
- どのポイントを気にして選べばいい?
- もっとゲーミングマウスについて詳しくなりたい
それでは本編をどうぞ!
選ぶポイント
さっそくゲーミングマウスを選ぶポイントを見ていきましょう。
これから紹介する内容は、どれも大切ですが、個人的には「形状」「重さ」が特に重要なポイントだと思っています。
「店舗のサンプル」や「今持っているマウス」で実際に試しながら読んでもらえると、より内容を実感できるでしょう。
手の大きさとサイズ

マウスを選ぶ前に、まずは自分の手の大きさを測りましょう。
基本的には中指から手首の上の筋までを測ります。手の大きさは約18cmが平均で、ここから前後1cmくらいであれば、平均的な大きさと言えるでしょう。
次にマウスの大きさについて。サイズをざっくり分けると以下のようになります。
- S:120mm以下
- M:120mm~125mm
- L:125mm以上
※全長が同じでも、高さや幅でフィット感は大きく変わるため、あくまでも参考程度に見てください。
17.5cmと平均よりやや小さい僕がG Pro X Superlight 2(125mm)を持つと、ピッタリもしくは若干大きいかも?と思うくらいのサイズ感です。

サイズ感はあくまでも目安として考えてください。過度に大きすぎたり小さすぎたりしなければ、慣れで何とかなる場合が多いです。
それよりも次の「形状」の方が持ち心地に大きな影響を与えます。
形状
形状がマウス選びで一番重要と言っても過言ではありません。ただ、「形状が良い」と言っても、どこがどういいのか知らなくては、自分に合ったものを選ぶことは出来ないでしょう。
そこでこの章では、マウスの形状について詳しく解説します。
左右対称か非対称か
マウスは「左右対称か非対称か」に分けられます。
左右対称マウスは、左右の形状がほぼ同じなため、両サイドから均等に力を入れやすく、指先でマウスを動かす感触をつかみやすいです。

左右非対称マウスは、右側面が広く取られているため、薬指、小指に無駄な力が入らず、リラックスしてマウスを握ることができます。
手に無駄な力が入りやすい人は、左右非対称マウスを選ぶと、改善するかもしれません。

持ち方との相性はマウスごとに異なるため、気になる場合は個別のレビュー記事を参考にしてください。
逆ハの字
レビュー記事や動画でよく聞く「逆ハの字」とはマウスの側面の傾斜を指します。
通常、マウスの側面は上部から下部に向かって幅が細くなっています。その形が、カタカナの「ハ」とは逆なので「逆ハの字」と名付けれています。

逆ハの字の角度によって、薬指と小指のフィット感が変わります。
角度が強いと、指を曲げてマウスを握ったときに、薬指と小指の側面にフィット感が生まれます。レビュワー達が、「逆ハの字はマウスを持ち上げやすい」と言っているのはこのためです。
ただ、逆ハの字は「上は幅が広くて、下は細い」ため、指の側面に圧迫感が生まれやすい形状とも言えます。
特に、指を伸ばしてマウスを握る人は合わない可能性が高いです。
一方で、角度が緩やかだと、指先に沿うようなフィット感は生まれないものの、「指の配置の自由度」が高まります。マウスの上部、下部、前後どの位置で持っても違和感が生まれにくいです。

特にこだわりが無ければ、逆ハの字が緩やかなマウスを選ぶことをおすすめします。「G Pro X Superlight」は逆ハの字がほとんどないことで、デバイスオタクたちに有名です。
プロアマ問わず、使用率が高い理由も、恐らくここにあるでしょう。
くびれ
マウスの「くびれ」とは、中央が細く、前後が広がっている形状のことを指します。人の体をイメージすると分かりやすいかもしれませんね。

「くびれ」によって、親指・薬指・小指の関節のフィット感に影響を与えます。
マウスの左側のくびれが強い場合、親指に当たる面積が増え、指の位置を固定しやすくなります。その一方、親指の関節に圧迫感を覚えることも。

マウス右側面のくびれは、薬指、小指のフィット感に影響します。くびれがあると中央幅が細くなるため、指を曲げて持ったときに指先での操作性を高めることができるでしょう。
一方で、指を伸ばす場合、薬指と小指が浮いている感触が生まれるかもしれません。そのため、指を伸ばす人は、くびれが控えめな方がマウスを握りやすくなると思います。
背の高さ
マウスの背の「どこが高いか」で手のひらのフィット感は大きく変わります。
後部が高いと手のひらに触れる面積が増えるため、「安定感」が増します。その一方で、手のひらに圧迫感を覚える可能性もあります。

後部が低いと、手のひらに当たる面積が減るため、圧迫感が少ないです。

また、マウスと手のひらにスペースを作りやすく、操作の自由度を高めることが出来るでしょう。ただし、「安定感がもの足りない」「フィット感に欠ける」と感じることも。
Viper V3 Pro(低め)とG Pro X Superlight 2(やや丸みあり)を比べると…
「Viper V3 Pro」と「G Pro X Superlight 2」を見比べてみると、パッと見るとあまり変わりませんが、G Proの方が後部に丸みがあります。


そのため、Viperに比べて、手のひらの中央付近のフィット感がやや強いです。一方Viperは、手のひら全体に満遍なく触れる感触があります。
どちらが好みかは、実機を触って確かめてください。
有線か無線か
有線か無線かでマウスの操作感が大きく変わります。予算に余裕があれば、無線をおすすめします。初心者の方は「無線ってちゃんと動くの?」といった心配があると思いますが、そこはご安心を。
プロ選手のマウスを見ても、あえて有線を使っている人はほとんどいません。それくらい今の無線技術は安定しています。
ただし、無名メーカーの安いマウスには注意してください。
もし有線マウスを選ぶのであれば、「パラコードケーブル」という柔らかいケーブルを採用したマウスを使ってみてください。ビニールケーブルよりもペチペチぶつかる感触が少なく、操作感が良いです。

重さ
最近のゲーミングマウスは軽量化が進んでいます。その理由は、軽いほどマウスを動かしやすいからです。これは「エイムの微調整」「大きなトラッキング」どちらにも当てはまると言えます。
また、FPSでは視点移動のために頻繁にマウスを振り回すので、軽いマウスの方が疲れにくいと言えるでしょう。

一方で、重たいマウスは「疲れやすい」ですが、安定感があります。軽いマウスだと、「マウスを振り過ぎてしまう」人もいるため、安定感を重視する人は「やや重ためのマウス」も選択肢に入るでしょう。
とは言え、重たすぎるマウスはおすすめではありません。具体的には70g以下がおすすめです。軽さと安定感を取るなら「60g前後」、軽さを重視するなら「50g前後」のマウスを試してみてください。
これからも「マウスの軽量化」は進んでいくと思うので、徐々に軽いマウスに慣れていった方が良いでしょう。今後のマウス選びの選択肢を広げることができます。
スイッチの種類

メインボタンのスイッチって、実は2種類あることをご存じでしょうか。それが「メカニカルスイッチ」「オプティカルスイッチ」です。
メカニカルスイッチ(機械式)は物理的な接触によって信号を検知するスイッチで、「クリック時の歯切れの良さ」がメリットとして挙げられます。
しかし、部品同士がぶつかる構造をしているため、オプティカルよりも「チャタリング(意図しない複数入力)」が発生しやすいデメリットがあります。
オプティカルスイッチ(光学式)は、光信号によって動作を検知するスイッチになります。部品同士の接触による検知ではないため、理論上はチャタリングが発生しないとされています。
また、チャタリング防止のための「デバウンスタイム(遅延)」を入れなくても良いので、メカニカルよりも応答速度が速くなる傾向にあります。
ただし、「スイッチの歯切れの良さ」はメカニカルに一歩譲ります。
性能的にはオプティカルの方が有利なので、こだわりが無ければ、オプティカルスイッチのマウスをおすすめします。
クリックの押し心地

クリックの押し心地は、ゲーム内での「タップ撃ち」「バースト撃ち」のやりやすさに影響を与えます。
クリックが硬い(重い)と、誤爆しづらくなり安定した操作を行うことが出来ます。一方で、指先に無駄な力が入ってしまうデメリットもあります。
クリックが柔らかい(軽い)と、軽い力で押すことができるため、指先に無駄な力が入りにくく、より直感的に操作しやすいです。一方で、軽すぎると指に力が入った時に誤爆する可能性も出てきます。
どちらが合っているかは、実機を触るのが一番確かですが、レビュー記事を参考にするのも「あり」だと思います。ちなみに、「硬すぎる」「軽すぎる」クリックでなければ、慣れで解決できる場合が多いです。
センサーの性能

センサーの性能が低いと、カーソルが変な挙動をする「センサー飛び」が発生する可能性があります。とくにガラスマウスパッドは、布製マウスパッドに比べてセンサー飛びが発生しやすいです。
とは言え、最近のマウスはセンサーの性能が向上しているので、過度な心配は必要ないと思います。
まったく知られていないメーカーの激安マウスでなければ、問題なく使用できるでしょう。
心配であれば、レビューを見たり、Xやブラウザ検索で「G Pro センサー飛び」といったワードで検索してみると、生の声が聴けます。
DPI
マウスによって設定できるDPIは変わります。例えば、ZOWIEのマウスであれば、400、800、1600、3200のように、決められた数値しか使うことが出来ません。
一方で、RazerやLogicoolのマウスはソフトウェアを使うことで、細かく数値を変更できます。

こだわりがある人は、購入予定のマウスがDPIを細かく変更できるか調べましょう。
ただし、FPSプレイヤーは400、800、1600を使う人がほとんどなので、あまり細かく設定できなくても大丈夫です。
ポーリングレート
マウスからパソコンに「1秒間に何回情報を送れるか」を表した数値
最近のゲーミングマウスでは「ポーリングレートの高さ」も、選ぶ際のポイントとなっています。
ポーリングレートが高くなることで、「遅延の減少」「カーソルの滑らかさの向上」を見込めます。
「カーソルの滑らかさ」は人によっては体感できないかもしれません。また、「遅延の減少」は体感できないながらも、メリットになるポイントです。
「デバイス差をなくしたい」「1ミリ秒でも有利に立ちたい」と考えている人は、高ポーリングレート対応のマウスを選びましょう。
PCスペックが低いと画面がカクつく可能性があります。気をつけましょう。
コーティング
マウスのコーティングは「マットコーティング」「グロスコーティング」に分けることが出来ます。
主流なのはマットコーティングで、サラサラとした表面が適度なグリップ力を発揮してくれます。

癖が少なく、指先に違和感を覚えにくいのもマットコーティングの特徴です。ただ、手に吸い付く感触は無いので、少し滑りやすいのはデメリットと言えるでしょう。
一方、グロスコーティングは光沢のある質感で、「指が乾いている時」「少し湿っている時」に強力なグリップ力を発揮してくれます。

ただ、手汗で手がべたべたになる人は、逆に滑りやすくなる可能性もあります。
同じマウスで違うコーティングを展開している商品はほとんどないため、形状が合っていれば妥協しても良いポイントとも言えます。
もし手汗で滑るようであれば、グリップテープを使うことで、使用感を改善することが出来ます。
マウスソール

マウスの底面にはマウスの動きを滑らかにする「マウスソール」が貼られており、「素材」「加工」によって、滑りが変わります。
マウスの滑りを速くしたい人は、「PTFE100%」と書かれているものを選ぶと良いでしょう。「Razer Viper V3 Pro」や「Logicool G Pro X Superlight 2」がこれに当てはまります。
ただ、滑りが速くてもコントロール出来なかったら意味が無いので、必ずしもPTFE100%のソールを選ぶ必要はありません。
もし滑りを改善したかったら、「Esports tiger」「Corepad」などの、他社製のソールを使ってみてください。
店頭で実機を試す時の注意点
パッと握って合わなかったら、家に帰っても合わない
ゲーミングマウスを購入する前に、店頭で実機を試す機会があると思います。「おっ、このマウスいいじゃん」と思い購入したが、家に帰ると違和感が…なんて経験をしたことがある人もいるでしょう。
それは何故か。
あなたはマウスを触った時に一瞬違和感がありながらも、手をもじょもじょ動かして、そのマウスに持ち方を合わせたのではないでしょうか。それが、失敗の原因かもしれません。
僕の経験上、パッと握って違和感があるものは、家に帰っても合わない可能性が高いです。
そのため、直感的に「ん?」と違和感を覚えたら、一回冷静になって別のマウスを触ってみてください。再度触って違和感があれば、やはりあなたの手には合っていないと思います。
最後に…
今回はFPS用マウスの選び方を徹底的に解説しました。
「マウスの買い替え」を考えているのであれば、まずは今使っているマウスの不満点を紙に書き出しましょう。そうすることで、次にどんなマウスを選べばいいか見えてくると思います。
初めてゲーミングマウスを買う人は、店頭に足を運んで、実際にマウスを試してください。そして、この記事を参考に、良さそうなマウスの特徴を把握しましょう。そうすることで、失敗を減らすことができると思います。
どうしても自分では選びきれない人には、「G Pro X Superlight 2」をおすすめします。
以上でこの記事はお終いです。最後まで見ていただきありがとうございました!
もし分からないことがあれば、Xにて気軽に声をかけてください。できる範囲でお答えします。

