G Proの小型バージョン「G Pro X Superlight 2c」が登場し、どんな使用感か気になっている人も多いでしょう。G Pro 2cの特徴をまとめると、以下のようになります。

- 幅が細く、細かい操作がしやすい
- 「小さいサイズ感」と「軽量さ」が相まって、マウスを振りやすい
- つかみ持ち、つまみ持ちと相性が良い
- マウスソールの滑りが滑らか
- 高ポーリングレート対応
- 通常サイズのG Proほどの「万能さ」はない
- 手が大きい人にはおススメできない
実際に使ってみると、通常サイズのG Proよりも癖が少し増えたように感じました。しかしその分、手が小さく、つかみ持ち、つまみ持ちをする人と相性が良くなったと言えるでしょう。
この記事ではG Pro 2cの形状、持ち方との相性、使用感にフォーカスを当ててお話しします。
それではどうぞ!
形状
まずは形状を見ていきましょう。
G Pro 2cは全長118.4mm、Sサイズに分類されます。通常サイズのG Proと比べてもかなりコンパクト。

17.5cmとやや小さめの僕の手にもスッポリ収まります。

幅は、前方約57mm、中央約55mm、後方約61mmとなっています。

底面から見ると、サイドにくびれがあることが分かります。

実際に握ってみると、前方と後方に丸みがあるため、中央の細さが際立っていました。この辺りの握り心地に関しては、「持ち方との相性」にてお話しします。
逆ハの字はかなり控えめで、マウス上部から底面に向かって、ほぼ真っ直ぐになっています。前方には緩やかな傾斜がありますが、指先に違和感が生まれることはありませんでした。


次に背の高さについて。
G Pro 2cの高さは38.6mmで、本体の中央付近が一番背が高くなっています。後部は盛り上がっていないものの、ほどよく「高さ」が残されています。

この「高さ」が手のひらを支えてくれるものの、圧迫感はありません。手のひらに自然にフィットしてくれました。
持ち方との相性
形状について詳しくなったところで、持ち方との相性をチェックします。
筆者の手の大きさは「縦17.5cm、横9.5cm」と、男性平均よりやや小さく、女性平均よりやや大きいです。
G Pro 2cを握ってみると、かなり小ぶりだと思いました。通常サイズのG Proをメインで使っていたこともあり、どの持ち方でも「コンパクトさ」が印象に残りました。
それでは詳しく見ていきましょう。
かぶせ持ち:やや悪い

G Pro 2cはサイズが小さく、くびれがあるため、かぶせ持ちとは”やや”相性が悪いです。
逆ハの字がかなり控えめなので、持ちにくくはないのですが、薬指の先から付け根まで、各所に若干の違和感があります。特に、薬指と小指の第2関節が浮いてしまう感触が気になりました。恐らく、「くびれ」が原因でしょう。
かぶせ持ちであれば、あえてG Pro 2cを選ぶ必要はないと思います。
つかみ持ち:良い
G Pro 2cには、
- エイムの微調整がしやすい「細さ」
- 指先に違和感が生まれにくい「平坦なサイド」
- 圧迫しない程度の後部のフィット感
があり、つかみ持ちと相性が良いと思いました。ただし、「深めのつかみ持ち」と「浅めのつかみ持ち」で印象が少し変わります。

手の大きさ17.5cmの僕が深めのつかみ持ちをすると、前方の丸みに薬指が当たり、指が外側に追いやられている感触が出てしまいました。とは言え、主張が激しいわけでは無いので、この違和感は2.3日で慣れることが出来ました。

浅めのつかみ持ちとは相性が非常に良いです。
深めのつかみ持ちよりも手前を持つことになるので、前方の丸みが気になりませんでした。また、背が低いながらも、後部には「高さ」が少しだけ残っています。そのため、指の付け根の配置にも困ることはありませんでした。
浅めのつかみ持ちだと、「操作性」「フィット感」どちらも良好でした。
つまみ持ち:良い

G Pro 2cは幅が細いので、手がやや小さめの僕でも広いと感じることはありませんでした。そのため、指先で操作している感触が強く、細かい操作がしやすいです。
また、逆ハの字が控えめなので、指を動かしたときに指先の動きが制限されることも無く、自由にマウスを動かせました。個人的につまみ持ちでは不満点はありませんでした。つまみ持ちとの相性は良いと思います。
実際に使ってみた感想
この章ではG Pro 2cを使った感想をお話しします。僕は以前からG Pro X Superlight 2をメインに使っていたので、その比較をしながら使用感を詳しく解説します。
幅が細くなり、指先で操作している感触が強くなった

G Pro 2cは通常サイズのG Proと比べ、幅がとても細くなっています。そのため、薬指と親指の距離が短くなり、より細かいエイムがしやすくなりました。
「太いペンで文字を書くか」「細いペンで文字を書くか」を想像すると、操作感の違いをイメージできると思います。
特に、Valorantでは「マイクロフリック」や「エイムの微調整」の機会がとても多いです。その点では、G Proよりも扱いやすくなったと感じました。
一方で、G Proよりも指先を内側に丸める必要があるため、少し手に力が入りやすくなります。この辺りは好みかなと。
「リラックスできる持ち心地」よりも「指先の操作性」を優先するなら、G Pro 2cは良い選択肢になるでしょう。
かなり軽い、「マウス」ではなく「手」を動かしている印象
G Pro 2cの重さは51g、通常サイズのG Proと比べても、体感できるレベルで軽いです。「手にスッポリ収まるサイズ感」と組み合わさることで、マウスではなく手を動かしている感触が強くなったと思いました。
特に、マウスを大きく振ったときにその違いを体感出来ました。
マウスを振る→微調整の流れがよりスムーズになった印象です。
Maya X(47g)やInzone Mouse-A(48.4g)と使い比べても遜色ない使用感なので、軽量マウスが好きな方も満足できるのではないでしょうか。
通常サイズのG Proより、ちょっと癖がある
「形状」「持ち方との相性」でもお話ししたように、G Pro 2cはサイズが小さくなったことで、通常サイズのG Proよりもサイドのくびれが強くなりました。

通常サイズのG Proを使っている時は、「くびれ」をほとんど感じることはありませんでしたが、G Pro 2cは前方、後方に向かって広がっている感触があります。
そのため、G Proのような「万能さ」は無くなったと思います。しかし、癖が少し出たことで、手が小さくて、つかみ持ち・つまみ持ちをする人にとって、よりフィットしやすい形状になったと言えるでしょう。
僕と同じくらいの手の大きさ(17.5cm)か、それ以下の人はぜひ一度G Pro 2cを手に取ってみてください。
通常サイズのG Proには無かった「収まり」を体感できると思います。
性能
最後に性能を見ていきましょう。スペック表を確認した後、使ってみた感想では伝えられなかった部分を解説します。
| サイズ | 全長:118.4mm 幅:61.2mm 高さ:38.6mm |
| 重さ | 51g |
| センサー | HERO 2 |
| DPI | 100~44,000 DPI |
| ポーリングレート | 最大8000Hz |
| メインスイッチ | LIGHTFORCE スイッチ(光学式) |
| バッテリー | 最大95時間 |
| マウスソール | PTFE100% |
| カラー | ブラック ホワイト ピンク |
| 価格 | 26,950円 |
マウスソール

G Pro 2cにはPTFE100%のマウスソールが貼られています。滑りはやや速めです。G640の上で確かめたところ、「Viper V3 Proの標準ソール」と遜色ない滑らさだと感じました。
「G Pro X Superlight 2用Corepad」と比べると、滑らかさは同じくらいで、スピードはG Pro 2cの方が速かったです。
以前のG ProやG Pro Dexでも滑りは悪くなかったのですが、G Pro 2cになり、より摩擦が減ったように感じます。個人的には、快適な操作感だと思いました。
ボタンの押し心地
この章では、メインボタン、サイドボタン、ホイールに分けて、スイッチの押し心地を確認します。
メインボタン

メインボタンの押し心地は硬いです。スイッチが反応するまでにわずかな遊びがあり、押した後は遊びはほとんどありません。軽い押し心地に慣れていると、違和感があると思いますが、慣れで解決できる範囲だと思います。
また、「Viper V3 Proの光学式スイッチ」や「Maya Xのオムロンオプティカルスイッチ」よりも鋭い感触が手に伝わります。メカニカルの「キレの良さ」を光学式でも体感したい人には、ピッタリの押し心地と言えるでしょう。
サイドボタン

サイドボタンは軽いスイッチが採用されています。押す前、押した後どちらにも遊びがあるため、押し心地は柔らかいと感じました。
幅は細いですが、盛り上がった形状をしているため、とっさのタイミングでもボタンを押しやすかったです。
頻繁に使うスキルを割り当てても問題ないでしょう。
ホイール

ホイールの周し心地はやや重たく、一段一段回している感触が指先にはっきり伝わります。誤爆の心配はほとんど必要ないでしょう。それでいて、重たすぎないので、バニーホップなどのスクロールを多用するシーンにも対応できます。
音は「カラカラ」ではなく、「ゴリゴリ」とした低音で、ゲーム中に耳に残ることはありませんでした。
ホイールボタンの押し心地は重たいです。たまにマップにピンを指すくらいなら使えると思いますが、ホイールボタンにスキルを割り当てるのはおすすめ出来ません。誤爆しづらいのはメリットと言えるでしょう。
コーティング
G Pro 2cにはマットコーティングが施されています。
指先にじんわり汗をかいた時に、強力なグリップ力を発揮してくれました。また、手が乾燥していても、ツルツル滑る感触は少なく、適度な摩擦があります。
流石に、Viper V3 Proほどのグリップ力ではありませんが、それでも問題なく使用できるでしょう。
もし手汗で滑ってしまうのであれば、付属のグリップテープを付けてみてください。さらにグリップ力を高めたい人は、「REJECT YOROI」や「Pulsar Supergrip」を使ってみると良いと思います。
センサー
センサーにはHERO 2が搭載されています。センサーテストをしましたが、動作は安定していました。結果は以下の通りです。




実際にランクをプレイしましたが、センサー飛びは確認できませんでした。ただし、ガラスマウスパッドだと、相性によってはセンサーが飛ぶ可能性があります。お気をつけて。
ポーリングレート
G Pro 2cはG HUBを使うことで、有線時は4段階、無線時は7段階でポーリングレートを変更できます。
無線
- 125hz
- 250hz
- 500hz
- 1000hz
- 2000hz
- 4000hz
- 8000hz
有線
- 125hz
- 250hz
- 500hz
- 1000hz
ポーリングレートを上げることで「入力遅延の減少」「滑らかなカーソル操作」といった恩恵を受けることが出来ます。
「カーソルの滑らかさ」は個人の感覚に大きく依存します。僕としては、無くても問題ないと思っています。ただ、「入力遅延の減少」というメリットがあるため、デバイス差を減らしたい人は高めに設定しておきましょう。
バッテリー
ソフトウェアでG Pro 2cのバッテリー持続時間を確認しました。LIGHTFORCEスイッチの設定で少し時間が伸びます。結果は以下の通りです。
| ポーリングレート | オプティカルのみ | ハイブリッド(省電力) |
| 500hz | 112時間 | 123時間 |
| 1000hz | 92時間 | 100時間 |
| 2000hz | 54時間 | 59時間 |
| 4000hz | 35時間 | 40時間 |
| 8000hz | 19時間 | 20時間 |
「オプティカルのみ」でもバッテリー時間は長く、使っていて不便だと思ったことはありません。ちなみに、オプティカルにすると、クリック応答速度が上がるようなので、基本的にはオプティカルでの使用をおすすめします。
付属品

- LIGHTSPEEDワイヤレスレシーバー
- レシーバー延長アダプター
- USB Type A to Cケーブル
- PTFEソール付きカバー
- グリップテープ
- クリーニングクロス
- 説明書
- 保証規定
まとめ
今回はG Pro X Superlight 2cをレビューしました。通常サイズのG Proよりもサイズがコンパクトになったことで、
- 手が小さい
- つかみ持ち、つまみ持ち
- 指先での操作感を高めたい
という人にピッタリのマウスになりました。
重さも51gと、超軽量マウスの仲間入りを果たしました。G Proと比べると、びっくりするくらい軽いです。
「形状」「持ち方との相性」「使用感」を見て、自分に合っていると感じた人は、ぜひG Pro 2cをチェックしてみてください。
以上でこの記事はお終いです。最後まで見ていただきありがとうございました。質問があれば、Xにて気軽に声をかけてください。できる範囲でお答えします。
