かぶせ持ちに最適なエルゴノミクスマウス。
その代表と言ってもいいのが、ZOWIE ECシリーズです。ECシリーズは様々なメーカーが真似するほど、優れた形状をしています。
そんなECシリーズがどんなマウスか気になっている人も多いと思います。
実際に使ってみると、形状が良くリラックスしてマウスを握れるのですが、性能面で気になるところがチラホラ…。
この記事ではゲーミングマウスを20種類以上持っている僕が、EC2-CWを詳しくレビューします。
- 「自分に合っているか心配」
- 「フィット感が良いって聞いたけどほんと?」
など、興味がある人はぜひ最後まで見ていってください。
EC2を選んだ理由は?
ZOWIE ECシリーズには、「EC1(大)」「EC2(中)」「EC3(小)」と三種類のサイズがありますが、今回はEC2を選びました。
その理由は、
- 手の大きさが17.5cmとやや小さめ
- 指先のコントロール感も欲しかった
- EC1と同じくらいの「Deathadder V3 Pro」が大きいと感じていた
僕の手の大きさは17.5cm。平均よりやや小さいです。
そのため、リラックスでき、指先の操作もしやすいEC2を選択しました。実際握ってみるとこんな感じでピッタリ。

僕と同じくらいの手の大きさの人は、EC2が無難な選択になるのではないでしょうか。
ただ、「安定感」や「指先での操作性」をより重視する人は、EC1もしくはEC3を選ぶのも「あり」だと思います。
EC2-CWの性能
サイズ | 全長:123mm 幅:中央61mm、後部65mm 高さ:42mm |
持ち方との相性 | かぶせ持ち:非常に良い つかみ持ち:良い つまみ持ち:やや悪い |
重さ | 77g |
ボタン数 | 7(底面ボタン2つ) |
センサー | PixArt 3370 |
DPI | 400/800/1,600/3,200 |
ポーリングレート | 125/500/1,000hz |
価格 | ¥9,980 |
- パラコードケーブル(USB Type A to C)
- エンハンスドレシーバー
- ドングル
- USBレシーバー
- 交換用マウスソール
- マニュアル

エルゴノミクス形状
トップ


EC2は左右非対称。
本体が左から右に向かってなだらかな傾斜を描いているため、手を楽にしてマウスを握れます。
また、中央にある傾斜が高すぎないので、指の負担になりづらいです。
サイド


左側は中央から後方に向かってグッと広がる形状をしています。
この「くびれ」があるおかげで、親指を曲げても、外側に追いやられません。
また、親指の付け根にフィット感はありますが、関節付近はフィット感がないので、親指の動きも制限されにくい形状と言えるでしょう。
右側は前方は真っ直ぐ、中央から後方に向かって広がっています。
薬指、小指をリラックスしてマウスに乗せられつつも、指先でのコントロール感もあります。
後部


後部は低めに作られています。
手のひらに当たる感触はあるものの、圧迫感がなく、リラックスしてマウスを握れると思います。
持ち方との相性:かぶせ持ち最高!
- かぶせ持ち:非常に良い
- つかみ持ち:良い
- つまみ持ち:やや悪い
かぶせ持ち

EC2とかぶせ持ちの相性は非常に良いです。
人差し指から小指までマウスにピタッとフィットしてくれます。
後部に比べ、先が細い形状をしているので、「指先でのコントロール感」も失われていません。
また、手のひらの圧迫感も少なく、リラックスした状態を維持しやすいです。
つかみ持ち

EC2とつかみ持ちの相性は良いです。
後部のフィット感は少なめ、指に違和感がなく自然にマウスを持つことができます。手のひらの圧迫感が苦手な人におすすめ。
右サイドも後ろ側を持たなければ、指が外側に追いやられる心配も少ないです。
ただ、後部に高さが必要な持ち方だと、持ちにくいです。その点には気をつけましょう。
つまみ持ち

EC2とつまみ持ちの相性はやや悪いです。
つまみ持ちでも自然なフォームで指を置けるのですが、指先でマウスをつまんでいる感覚が少なく、「指をマウスの上に乗せているだけ」だと思いました。
また、後ろ側をつまむと、後部の膨らみのせいで、指が外側に追いやられてしまいます。
77g…重たいかも
EC2-CWは重さ77g、やや重ためのマウスです。
軽量マウスを使っている人は重たいと感じるでしょう。僕もG PRO X SUPERLIGHT 2を使った後に、EC2-CWを使うと、ずっしり重さを感じます。
その反面、エイムの安定感があります。
細かくマウスを動かしたときに、余計な手の動きが反映されにくいと思いました。
ボタンの使用感は癖が強い
- メインボタン:軽め、遊び多め
- サイドボタン:標準~やや硬め、遊び多め
- ホイールスクロール:ノッチ感強め、音量「大」
- ホイールボタン:やや硬め
メイン

EC2-CWのメインボタンは押し心地が「軽め」、遊びは「多め」。
マウスをクリックすると、グニっとした弾力があります。遊びが多いので、誤爆するリスクも少ないでしょう。
サイド

サイドボタンはサイズ「大きめ」、クリックは「やや硬め」です。
こちらもメインボタンと同じく、クリックを押した後の遊びが多く、グニっと沈む感触があります。
押し心地の好みは分かれますが、使っていて不便に感じることはありませんでした。
ホイールスクロール
ホイールスクロールは24ステップ。ノッチ感が強く、一回転するごとにカチカチと音がします。
誤爆が起きづらいのはメリットになりますが、何しろ音が大きい。
今まで何十種類とマウスを触ってきましたが、EC2のホイール音は爆音といっても過言ではないです。
そのため、バニーホップなど、頻繁にホイールをスクロールする人は気になるかもしれません。
ホイールボタン
ホイールボタンの押し心地は「硬め」です。
「ピンを打つ」などのそんなに使わないけど、誤爆されると困る用途にピッタリの使用感だと思います。
センサーテスト
MouseTesterを使いセンサーテストを行いました。
結果は良好。実際のゲーム中にもセンサー飛びが発生することはありませんでした。
- DPI:800
- ポーリングレート:1,000hz
使用したマウスパッド
- ARTISAN 零 SOFT
- ARTISAN ハヤテ乙 SOFT
- ZOWIE G-SR-SE
- LGG SATURN PRO SOFT




マウスソール:安定した滑り

- 上に小型のソールが2つ
- 下に大型ソールが1つ
- センサー周りに1つ
マウスソールの滑りはやや遅めです。
PTFE100%のものと比べると、コントロールしやすいマウスソールと言えます。
マウスを動かしても引っ掛かりを感じませんでした。ただ、ソールが薄いので柔らかいマウスパッドを使うと底面が擦れます。
ARTISANのSOFTのようなマウスパッドを使っている人は気をつけてください。
コーティング:グリップ力は高いけど…

EC2-CWにはマットコーティングが施されています。
グリップ力が強く、手汗をかいても指がずれにくいです。
とくにEC2はかぶせ持ち、つかみ持ちのユーザーが多いと思うので、マウスがツルツル滑ってしまうという心配は少ないと思います。
もし気になるようであれば、他社製のグリップテープを使えば解決。
ただ、1つデメリットも。それは汚れが付きやすいことです。
黒色のマットコーティングなので仕方がないのですが、指紋が目立ちやすいです。EC2を購入したら、定期的にお手入れしてあげましょう。
接続方法
EC2-CWは有線、無線に対応しています。
無線はUSBレシーバーとエンハンスドレシーバーの2種類。お好きな方を選びましょう。
USBレシーバーとエンハンスドレシーバーの切り替えは、裏面のスイッチで出来ます。

エンハンスドレシーバーの接続がちょっと…
EC2-CWには無線接続の安定性をたかめる「エンハンスドレシーバー」があります。
ただ、僕の環境だとエンハンスドレシーバーの接続は安定しませんでした。残念。
そのため、EC2-CWを使うときは普通のレシーバーに繋ぎ、エンハンスドレシーバーは充電スタンドとして使っています。

EC2-CWを使ってみた感想
手のフィット感が最高です

EC2-CWを買ったらかぶせ持ちをしてみてください。フィット感が最高です。
指先から関節、付け根に満遍なくフィットする高さのあるトップ。手のひらの圧迫感が少ない、ストンと落ちた後部。手全体が自然にマウスに馴染んでくれます。
また、リラックスしてマウスを握れるので、手に無駄な力が入らないのも嬉しいポイント。
緊張したシーンでも、いつもより楽にエイムすることができました。
エンハンスドレシーバーが便利!

僕の環境だとエンハンスドレシーバーの接続が安定しません。
しかし、それでも僕はエンハンスドレシーバーを使っています。やっぱり充電スタンドとしても機能が便利すぎます。
充電の「抜き差し」が面倒だと感じている人も少なくないでしょう。そんな人にぜひ一度試して欲しい…それくらい便利なアイテムだと思いました。
ソールが薄くて底面が擦れる
先ほど「マウスソール」でも触れたように、EC2-CWのソールは薄いです。
そのため、ARTISAN 零 SOFTを使っているときに底面が擦れてしまいました。
引っ掛かるわけでは無いので個人的には気になりませんが、あまりおすすめできる使用感ではありません。
気になる人は他社のソールを使った方が良いと思います。
プラグ&プレイが便利だけど、不親切なところも…
EC2-CWはプラグ&プレイなので、ソフトウェアを使わずに設定を変更できます。
DPIやポーリングレートなどの簡単な設定は裏面のボタン1つで出来るのでとっても便利。
ただ、ちょっと分かりづらいところも…。それがクリック応答時間とLODの変更です。
任意のボタンを押しながら接続すると変更できるのですが、そもそも存在自体知らない人がほとんどだと思います。
この機能もボタンで変更出来るようにして欲しいですね。
下にそれぞれの設定方法をのせておきます。気になる人はチェックしてみてください。
- 低LOD:後ろのサイドボタン+左クリック
- 中LOD:前のサイドボタン+左クリック
- 高LOD:後ろのサイドボタン+左クリック+右クリック
- 高速:後ろのサイドボタン
- 標準:前のサイドボタン
まとめ

EC2-CWの良いところ
- かぶせ持ち、つかみ持ちと相性が良い
- リラックスしてマウスを握れる
- 誤爆しづらいクリック
- 滑りづらいコーティング
- 交換用マウスソールが付いてくる
- ソフトウェアを使わずに設定を変更できる
EC2-CWの気になるところ
- 重たい
- ソールが薄いため、柔らかいマウスパッドを使うと底面が擦れる
- エンハンスドレシーバーの接続が安定しない(環境による)
- 「ボタン割り当て」などの、細かい設定ができない
EC2-CWはこんなひとにおすすめ
- かぶせ持ち、指を伸ばしたつかみ持ち
- 手の大きさはやや小さめ~平均
- 誤爆の少ないクリックを使いたい
- 重たいマウスが好き
- 充電スタンドを使ってみたい
- ソフトウェアでの設定が面倒
今回はEC2-CWをレビューしました。
「かぶせ持ちならECシリーズ」と思わされる形状で、持ち心地は大満足。かぶせ持ち、指を伸ばしたつかみ持ちの人にはピッタリのマウスだと思います。
ただ、重さ、ポーリングレートなど最新スペックのマウスには及ぼない所もあります。そこさえ気にならなければいい選択肢になるでしょう。
もしかぶせ持ちの王道マウスを試してみたい人はEC2を使ってみてください。
以上ZOWIE EC2-CWのレビューでした。
最後までご覧いただきありがとうございました。質問があればXにてお待ちしております!
※2025年5月25日にEC2-DWが発売
予算に余裕がある人はEC2-DWをおすすめします。重量、ポーリングレートがアップデートされ、EC2-CWの不満点が改善されています。